
―迷いながらも前に進む保護者の皆さまへ―
フリースクールに通うことを選んだお子さんを支えるなかで、保護者の皆さまが抱える思いは、非常に複雑で多層的なものだと思います。学校という「当たり前」のレールから一旦外れたことで、戸惑いや不安を感じるのは自然なことです。
「これで本当に良かったのだろうか」
「他の子と同じように、普通の学校に行ける日は来るのか」
「子供は大丈夫そうに見えるけれど、私は心のどこかで焦っている」
こうした気持ちは、誰しもが少なからず抱くものです。そして、その葛藤の中には、親としての責任感や、我が子を想う深い愛情が込められています。
「普通」にとらわれすぎていませんか?
現代の教育環境は、多様性が叫ばれている一方で、「一般的な進路」や「平均的な成長」への期待がまだ根強く残っています。そのため、子供が学校に行けなくなったり、別の学びの場を選んだりすると、「それは特別なケースだ」と感じてしまいがちです。
しかし、発達段階や個々の特性に応じて、学びのスタイルを柔軟に選べる社会こそ、これからの時代に求められる「本当の意味での教育の多様性」ではないでしょうか。
親がその視点を持つことは、子供にとって何よりの支えになります。
「この子に合ったやり方で大丈夫」
「焦らず、いま必要なことを大事にしよう」
そんなメッセージが、日々の関わりのなかで子供に伝わっていくようです。
家庭が“安心できる基地”であるために
フリースクールは、学校に代わる新しい居場所ですが、子供にとって一番の「安心の拠点」はやはり家庭です。外でどんなにがんばっていても、家の中で緊張が続いていると、心も体も疲れてしまいます。
家庭では、すべてを解決しようとしなくても構いません。むしろ、「何もできないけど、そばにいるよ」という姿勢が、子供には深く届きます。
例えば――
・毎日同じ時間に「おはよう」「おかえり」と声をかける
・子供が話し出すのを、急がず待つ
・できたことを小さくても認めて、「うれしいね」と共感する
これらは、専門的な支援ではなくても、確かな「心の栄養」になります。
親もまた、支えられていい存在です
つい、「親だから頑張らなくては」「子供の前で弱音を吐けない」と自分に言い聞かせてしまう方も多いかもしれません。でも、子供と同じように、親も悩んだり、疲れたりして当然です。
親が自分自身をケアすることは、子供にとって悪いことではなく、むしろ「大人も自分を大事にしていい」という大切なメッセージになります。
一人で抱え込まず、必要なときには話せる相手を持つこと。
少しだけ、力を抜いてみること。
子供を見守るその優しさを、自分自身にもぜひ向けてみてください。
最後に
フリースクールに通うという選択は、けっして「特別なこと」ではなく、「子供にとって必要な道を選んだ」という、前向きな決断だと思います。
親として、完璧である必要はありません。
悩みながらも「この子にとって何が大事か」を考え続ける姿そのものが、かけがえのない支えになるのです。
私たちは、そんな保護者の皆さまの歩みに、心からの敬意と共感をもって寄り添いたいと願っています。
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