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学習障害の特徴とは?子供の困りごとと支援方法を解説!

人間は、聞く・話す・読む・書く・計算する・推論するなど、さまざまな力を使って情報を扱っています。
私たちはそれらの力を通して情報を取り入れ、理解し、記憶し、必要に応じて活用しています。この一連の流れが「学習」です。

こうした力がうまくかみ合うことで、多くの場面で学びは進んでいきます。

しかし中には、「一生懸命取り組んでいるのに、なぜかうまくいかない」
「周りと同じようにやっているつもりなのに、つまずいてしまう」
と感じる場面が繰り返し訪れる人もいます。

これは、認知の一部に生まれつきの偏りや特性があることで、情報を取り入れたり整理したりする過程に難しさが生じている可能性があります。

今回は、こうした困難さの背景として考えられる「学習障害(LD)」について、その特徴や種類、年齢による影響、そして適切な向き合い方をわかりやすく解説していきますので、ぜひご一読ください。

 

 

 

 

学習障害とは?

学習障害(LD:Learning Disabilities)とは、知的発達に目立った遅れはないにもかかわらず、読み・書き・計算など、学習に関わる特定の力の習得だけが、ほかに比べてうまくいきにくい状態を指します。

日本ではおよそ10人に1人前後がこれに該当するといわれています。

 

学習障害の3タイプとそれぞれの特徴

学習障害には読字障害、書字障害、算数障害の3タイプが存在するといわれています。

これらは単独で見られることもあれば、複数が重なって現れることもあり、その程度や現れ方には個人差があります。

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読字障害(ディスレクシア)で見られやすい困りごと

文字が正確に読めない、文字の読み上げがたどたどしく片言になりやすく、読解力に苦手さが見られる場合がある。

 

書字障害(ディスグラフィア)で起こりやすいつまずき

「てにをは」が正しく使うことが難しく、書いた文字が鏡文字になったり、文字の大きさを揃えて書くことができないなどの場合がある。

 

算数障害(ディスカリキュリア)で感じやすい難しさ

数の大きさや量の感覚をつかみにくい、数値を覚えることに苦手さが見られる。読み書きには大きな困りごとがない一方で、計算や数的な推論に難しさが表れることがあります。

 

 

学習障害によって生じやすい影響

学習障害があると、情報を取り入れたり表現したりする過程に負担がかかりやすく、勉強や仕事、日常生活での人とのやりとりなど、さまざまな場面でつまずきを感じることがあります。

その結果、作業に時間がかかったり、本来の力を発揮しにくくなったりすることもあります。例えば、授業の内容は理解できていても、
教科書を読むのに時間がかかり「黒板を書き写すだけで精一杯になる」
「計算の途中で混乱してしまう」といったことがあります。
その結果、本来の理解度や考える力が十分に発揮できないことも少なくありません。

 

 

年齢別に見られる影響と注意点

幼児期の気づきのサイン

就学前の子供は、学力評価をされる機会は少ないと思われますが、他の子供や先生とのコミュニケーションを通じて言語能力の発達の様子が伺うことができる場合があります。

周囲の子供と比べて発達の進み方に大きな差が見られる場合には、
学習に関わる特性が背景にある可能性も考えられるため、
必要に応じて医療機関や専門機関との連携を検討することも一つの選択肢となります。
ただし、この時期は困りごとが「性格」や「個性」と受け取られやすく、
特性として見落とされてしまうケースも少なくありません。

就学前は、社会的な役割や学習面での成果を強く求められる時期ではないため、たとえ特性があっても、すぐに大きな困りごととして表れないこともあります。しかし、気づかれなかった特性が、就学後の生活で負担となる場合もあるため、早い段階から様子を見守り、理解を深めていくことが大切です。

 

小学生の学習のつまずき

基礎学力の定着が期待される時期です。
学習に関わる特性がある場合、教科書を読むことや板書を書き写すことなどで、つまずきが繰り返し見られることがあります。
その結果、周囲からの評価が気になったり、本人が自信を持ちにくくなったりする場合もあります。また、通知表やテストを通して学習の進み具合が保護者にも伝わるため、身近な大人が「学力の問題」として受け取ってしまうことも考えられます。こうしたつまずきを生まれつきの特性ではなく、努力や姿勢の問題として捉えてしまうと、子供が学ぶ意欲を失ったり、学校生活への負担が大きくなったりすることもあります。

 

中学生、高校生で強まりやすい悩みと影響

受験や進路選択が視野に入ってくる年齢です。勉強内容が難しくなることで学習障害が与える影響がさらに大きくなります。

周囲と比べる機会が増えることで、自信を失ったり、不安や緊張を強く感じるようになる場合もあります。

なかには、周囲に気づかれないよう工夫しながら日常生活を送れている場合もありますが、表に出にくい困難を抱えたまま過ごしていたり、受験などの場面で不利さを感じることがあります。

特性への理解が進み、適切な支援や配慮につながることで、学習や進路の選択肢が広がることもあります。

 

大人になってから気づかれる特徴

仕事の進め方や職場のルールを理解・習得する場面において、学習障害の特性が影響することがあります。

業務上の理解に時間がかかる場合、その影響が作業効率の低下やミスの増加として表れることもあり、結果として職場での評価や人間関係に悩みを抱えるケースも考えられます。

学習障害の影響を感じる場合でも、業務の進め方を工夫したり周囲の支援を検討することで、負担を和らげながら働ける可能性があります。

 

学習障害に関する相談先

学習障害についての困りごとや支援方法を知りたいときは、信頼できる相談先に早めに相談することが大切です。

 

学校の特別支援教育担当の先生
学習面の困難や支援の必要性について相談できます。個別の学習計画(IEP)の作成もサポートしてくれます。

 

教育相談センターや発達支援センター
専門家による発達検査や学習支援の助言を受けられます。

 

医療機関(小児科・児童精神科)
必要に応じて診断や専門的な指導、治療の相談が可能です。

 

地域の子育て・発達支援窓口
保護者向けの相談会や体験活動、支援サービスの紹介を受けられます。

 

 

学習障害の「無料診断テスト」には注意が必要?

インターネット上には、「無料」「セルフチェック」といった言葉とともに、いくつかの質問に答えることで学習に関する傾向や困りごとのヒントを知ることができる情報が多く見られます。こうした内容は、状況によっては自身や子供の特性に気づくきっかけになることもあります。

一方で、セルフチェックはあくまで目安の一つであり、それだけで学習障害の有無をはっきりと判断することは難しいとされています。実際の評価では、専門的な知識をもつ医師や心理職が、標準化された検査や聞き取りを通して、状況を総合的に確認していくことが一般的です。

セルフチェックで「少し気になる点」が見つかった場合は、その結果を一つの参考として、必要に応じて専門機関に相談したり、詳しい検査を検討してみることで、より状況に合った理解や支援につながりやすくなります。

 

専門家が用いる学習障害の検査キット

日本国内に流通している学習障害の検査キットを紹介します。

 

TK式 個別学力アセスメントキット

対象:小学生および小学校で習得する読み・書き・計算の定着に問題があると思われる生徒

学力に課題があると推測される子供について、基礎的な学力である「読み」「書き」「計算」能力を測定するツールです。

 

 

LDI-R(Learning Disabilities Inventory-Revised)

対象:小学1年生〜中学3年生

限局性学習症(読み・書き・計算のいずれかの学習行為において支障が出る障害)を調べるツールです。

 

 

改訂版 標準読み書きスクリーニング検査(STRAW-R)

対象:小学生〜高校生

発達性読み書き障害の検査を目的に開発された検査キットであるSTRAW(ストロー)に、速読課題や漢字音読課題、中学生用の漢字単語課題を加えた訂正版です。速読課題には文章課題が含まれていて、高校・大学入試で試験時間延長の配慮を希望する際の資料として信頼性が認められる場合もあります。

 

 

RaWF(ローフ) Reading and Writing Fluency Task

対象:18歳〜大学・大学院卒業まで

知的能力や背景知識に左右されないかたちで、学生の読み書きの速さと正確さを測るための尺度です。

主に大学生や院生、これから大学を受験する年齢の学生を対象としています。

 

 

気づきを先送りにしないことの大切さ

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学習障害の特性に気づかれないまま時間が経つと、子供は本来必要のない苦労や、成果につながりにくい努力を重ね続けてしまうことがあります。また、適切な検査や支援につながる機会が後回しになることで、困りごとが長期化する可能性もあります。

「周囲と同じように頑張りたい」「できることを増やしたい」といった、ごく自然でささやかな思いが、過度な負担となって積み重なっていくと、心や体が疲れ切ってしまうこともあります。努力だけでは乗り越えにくい状況に置かれ続けることは、子供にとって大きな負担になりかねません。

そうした事態を避けるためにも、早い段階で困りごとの背景に目を向け、原因を探り、必要な支援や工夫を検討していくことが大切です。
特性や困難さに目を向けず、理由を十分に理解しないまま努力だけを求めてしまうと、結果的に子供を追い込んでしまうこともあります。子供の特性を知り、状況に合った関わり方を考えていくことが、長い目で見た安心や成長につながります。

 

子供に学習障害が見つかったら

子供が学校や日常生活の中で必要な合理的配慮を受けられるよう、周囲とつながりを持つ役割を担うことになります。診断を行った医師や発達障害者支援センター、スクールカウンセラーなどに相談しながら、子供の特性や得意・苦手を丁寧に整理していきましょう。

その上で、学習方法の工夫や、特性に合った教材・支援ツールを取り入れるなど、無理のない学習環境を整えていくことが大切です。
また、「周りと同じやり方」にこだわりすぎず、子供なりのペースや成長を尊重することも重要な心構えの一つです。理解と支えがある環境は、子供が自分に自信を持ち、前向きに学び続ける力につながっていきます。

 

 

障害の有無より大事なものは

もし検査の結果、子供に学習障害の特性があることが分かった場合、まず大切なのは「できないこと」ではなく、「どのような支えがあれば力を発揮しやすいのか」を一緒に考えていく姿勢です。

周囲の大人が子供の困りごとに気づき、寄り添い、環境を整えていくことで、子供は「自分は大丈夫」「工夫すれば進める」という感覚を育んでいきます。障害の有無に目を向けるよりも、その子らしさや可能性を尊重しながら支えていく姿勢こそが、何より大切なことだと言えるでしょう。

 

 

選択肢をたくさん知ろう

とはいえ、学習障害の特性があるすべての子供が、すぐに自分の特性と上手に向き合えるわけではありません。特性を理解していても、周囲の子どもと学習の進み方や成果を比べてしまい、焦りや自信のなさを感じて心や体に負担がかかってしまうこともあります。

もしお子さんが強い不安や疲れを抱えている様子が見られる場合は、無理に頑張らせるよりも、まずは安心して気持ちを整えられる時間や環境を大切にしてあげることが重要です。学校以外の居場所を含め、子供にとって心の余裕を取り戻せる選択肢を一緒に考えていくことも、一つの支え方と言えるでしょう。

 

例えば、フリースクールでは、子供たちが心にゆとりを持てるような環境づくりを大切にしています。希望する子どもには、無理のない範囲で学習のサポートや勉強の見守りを行い、それぞれのペースに合わせて学ぶことができます。こうした取り組みによって、学校から一時的に距離を置く必要がある子供
でも、外の世界や社会とのつながりを失うことなく、自分のペースで安心して成長できる仕組みが整えられています。

 

ステラBASEでは子供一人ひとりの特性に合わせ成長のサポートをしています。ステラBASEでは子供一人ひとりの特性に合わせ成長のサポートをしています。学習や生活習慣、コミュニケーションの取り方など、それぞれのペースや興味に合わせたきめ細やかな支援を行い、安心して挑戦できる環境づくりを大切にしています。

 

 

 

 

 

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