
きょうだい児という言葉はご存じでしょうか。それは障害のある兄弟姉妹を持つ子供のことを表す言葉です。親の関心が障害児へ偏り、寂しい思いをしたり家族の期待に応えようと強い責任感を感じるなど負担を多く抱えている人が多いようです。今一度、障害のある方だけではなく、その周りにいる方々にも視線を向けてみることで何か気づくことがあるかもしれません。
発達障害のある子供を育てる中で、兄弟姉妹への関わり方に悩んでいる保護者の方も多いのではないでしょうか。
発達障害のある子を支える家庭の中で、兄弟姉妹——いわゆる“きょうだい児”は、自分の気持ちを抑えたり、大人のように我慢したりすることがあります。
今回は、きょうだい児の気持ちや困りごと、そして支援のヒントについてお伝えします。
きょうだい児が抱えやすい気持ち
きょうだい児は、「うちの中で自分は後回し」と感じたり、親の負担を察して甘えられなかったりします。
また、周囲の人に「しっかりしているね」と言われ続けることで、無意識に“いい子”を演じてしまうことも。
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「自分は我慢しないといけない」
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「なんでうちの家だけ違うんだろう」
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「弟(姉)ばっかりずるい」
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「本当は怒りたいのに怒れない」
こんなふうに、きょうだい児は感情を飲み込みながら日常を送っていることがあります。
行動面に現れるサイン
きょうだい児の中には、こんな形で気持ちが現れることもあります。
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夜に不安で眠れなくなる
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保育園や学校で気になる行動が増える
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家で突然癇癪を起こす
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「なんでもない」と言いながら涙をこらえる
これらは、直接言葉にできない思いがあふれているサインかもしれません。
支援のポイント
きょうだい児への支援は、「特別なプログラム」よりも、日常の中のちょっとしたまなざしや声かけが大きな力になります。
・小さな気持ちにも気づくこと
「今日はどうだった?」「嬉しかったことある?」と、日々の気持ちに寄り添う時間を持ちましょう。
・「あなたも大切だよ」と伝える
言葉や行動で、「ちゃんと見ているよ」「あなたも大事な存在だよ」と伝えましょう。
・ひとりの時間や経験をつくる
きょうだい児だけとの時間、または安心して甘えられる他の大人との関わりも、心の拠りどころになります。
・「話していい場所」があること
きょうだい児向けの支援グループやカウンセリングなど、気持ちを吐き出せる場があると、自分を客観的に見つめる力も育ちます。
まとめ
発達障害のある子の育児は、家族にとってたくさんのチャレンジがあります。
その中で、きょうだい児が感じる心の揺れや成長を、私たち大人がしっかりと支えていくことが大切です。
「気づいてくれてうれしかった」「わたしのことも大事にしてくれるんだ」と感じられる関わりが、きょうだい児の安心と自信につながっていきます。
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