
小さいころに、安心できる人とのつながりがうまく持てなかった経験があると、「人を信じる」「頼る」といったことが難しく感じることがあります。
それは、心の土台がぐらぐらしてしまうような感覚かもしれません。
これを「愛着障害」と呼びます。
「誰かと仲良くなりたいのに、どうしていいかわからない」
「ちょっとしたことで不安になってしまう」
そんな気持ちを抱えている子供が増えています。そのままにしておくと、不登校の原因になったり、大人になって人間関係でつまづいてしまうかもしれません。
丁寧に関係を築いていくことや、自分の気持ちに気づいて大切にしていくことで、少しずつ心はやわらかく、安心を取り戻していけます。
愛着障害の基本的な理解
愛着障害とは、幼少期における親や養育者との関係が不安定であることから生じる心理的な問題です。これにより、子供は信頼感や安心感をうまく形成できず、他人との関係においてさまざまな困難を抱えることになります。
愛着障害は、主に親や養育者の不適切な対応や環境の変化などが原因とされます。早期に適切な対応を行うことで、子供の健全な発達を促すことができます。
愛着障害の主な症状
愛着障害の症状には、以下のようなものがあります
①不安定な愛着:他人との関係が不安定で、過度に依存したり、逆に回避したりする。
②拒絶される恐怖:他人から拒絶されることを極度に恐れる。
③人間不信:他人を信頼することが難しく、常に疑心暗鬼になる。
④過剰適応:自分の感情を抑えて他人に合わせることで、自己を守る。
⑤感情のコントロールが難しい:怒りや悲しみなどの感情をうまく表現できない。
⑥依存と回避:特定の人に過度に依存する一方で、他人との関係を避ける。
愛着障害がもたらす影響
愛着障害は、子供の社会的な発達や心理的な健全性に重大な影響を与えます。学校での適応や友人関係においても困難を感じることが多く、長期的には成人期の人間関係や職業生活にも影響を及ぼすことがあります。
また、愛着障害を抱える子供は、うつ病や不安障害などの精神的な問題を発症するリスクが高いとされています。
愛着障害の診断と評価方法
愛着障害の診断には、専門の心理士や医師による評価が必要です。主に、子供の行動観察や親とのインタビューを通じて、愛着スタイルや心理的な状態を評価します。
さらに、愛着障害の評価には、愛着スタイルを測定するための標準化されたテストや質問紙なども使用されます。これにより、具体的な問題点や対応策を明確にすることができます。
効果的な対応策とサポート方法
愛着障害への対応には、以下のような方法が効果的です:
①安定した環境の提供:子供にとって安心できる環境を整えることが重要です。
②一貫した対応:親や養育者が一貫した対応を行うことで、子供の信頼感を築くことができます。
③専門家のサポート:心理療法やカウンセリングを通じて、子供の心理的な支援を行います。
④社会的なスキルトレーニング:子供が他人との健全な関係を築くためのスキルを学ぶ機会を提供します。
これらの対応策を通じて、愛着障害を抱える子供が健全に成長することをサポートすることができます。
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