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「勉強って、何のためにするの?」
これは、多くの子供たちが一度は抱く疑問です。テストの点数や成績のため?いい学校に行くため?もちろん、それも一つの目的かもしれません。でも、もっと大切な「学ぶことの本当の意味」があると、私たちは考えています。
学校ではたくさんの「知識」を学びます。歴史の年号、数学の公式、英語の文法…。けれど、その知識をどう使うか、自分の人生にどう活かすかという「知恵」は、教科書だけではなかなか身につきません。
本記事では、「知識」と「知恵」の違いに触れながら、フリースクールという場で子供たちがどんな「学び」と出会っているのか、そして私たち大人がどんな学びの環境を用意できるのか、一緒に考えてみたいと思います。
「知識」と「知恵」はどう違うの?
まず、「知識」とは、簡単にいえば“覚えたこと”です。
たとえば、「水は100℃で沸騰する」「地球は太陽のまわりを回っている」といったような、教科書に書いてある情報。テストで〇や×がつくのも、知識の正確さを測るものですね。
一方、「知恵」はその知識を“どう使うか”という力です。
水が100℃で沸騰するということを知っているだけでなく、「じゃあ災害時にどうやって安全に水を確保するか?」と考えたり、「どうすれば無駄なくガスを使えるか?」と応用したりするのが知恵です。
つまり、知識は「材料」、知恵はそれを活かしてつくる「料理」のようなもの。
どれだけ材料(知識)を持っていても、料理(知恵)がなければ、お腹は満たせません。
知恵が求められる時代
今、社会はどんどん変化しています。
AIやネット技術の発展で、知識は検索すればすぐに出てくる時代。
「正しい答えを早く出せる」ことよりも、「どんな問いを立てるか」「どう考え、どう選ぶか」が大切になってきました。
これからの子供たちは、決まった答えがない世界を生きていきます。
だからこそ、「知識」だけでなく、「知恵」――自分で考えて行動する力、他者と協力して乗り越える力が必要なのです。
フリースクールで育てたい「知恵」
私たちのフリースクールでは、「覚えること」よりも「考えること」や「感じること」を大切にしています。
たとえば、畑作業をするとき。
どんな野菜を育てるか、どうやって世話をするか、失敗したときにどう立て直すか――それはまさに、「知恵を育てる学び」の連続です。
また、ある子は自分の好きな恐竜について自由研究をしました。図鑑で調べるうちに、「なぜ絶滅したのか?」「今の動物とどうつながっているのか?」という問いが出てきました。
その問いを深めながら、発表する力や、自分の考えを言葉にする力も育っていきます。
答えを教えるのではなく、自分の中から問いを見つけていく時間。
その中で、子供たちは“知恵”を自然と身につけていきます。
学ぶことは「よりよく生きること」
知識も、もちろん大切です。
でも、それをどう活かすかは、その人次第です。
「学ぶ」ということは、テストのためだけではなく、よりよく生きるための力を育てること。
自分を知ること、他者と関わること、社会の中でどうありたいかを考えること。
それが、私たちがフリースクールで大切にしている“学び”のかたちです。
そして私たち大人も、子供たちと同じように、日々学び続けています。
教えるのではなく、「一緒に考えよう」「一緒に試してみよう」と言える関係が、子供たちの学びをもっと豊かにしてくれます。
最後に
「知識」は頭の中に残りますが、「知恵」は人生に残ります。
どちらも大切だけれど、これからの時代を生きる子供たちには、知恵としての学びをたくさん経験してほしい。
フリースクールは、そんな学びの選択肢の一つでありたいと、私たちは願っています。
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