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「これって甘やかしすぎかな……?」
「ちゃんとしつけなきゃいけないのに、すぐに手を差し伸べてしまう……」
発達特性のある子供を育てるなかで、
そんなふうに悩んだことはありませんか?
子供が困っている場面に出会ったとき、
手を差し伸べるのか、それとも自分でやらせるのか。
その判断はとても難しく、ときに「甘やかしているのでは?」と不安になることもあるでしょう。
特に、「合理的配慮」という言葉が広まりつつある今、
どこまでが“配慮”で、どこからが“過保護”なのか、迷ってしまう保護者の方も少なくありません。
でも実は、「合理的配慮」と「甘やかし」は、似ているようでまったく違う考え方です。
このブログでは、その違いの本質をやさしく解説しながら、
保護者の方が安心して“配慮”を選べる視点をお届けしたいと思います。
子供の「できるようになりたい」という力を信じて、
その子らしく育つための“ちょうどよい支え方”を、一緒に考えてみませんか?
合理的配慮とは?
合理的配慮とは、障害や発達特性を持つ子供たちが、
ほかの子供と平等に学び、活動できるようにするための環境的・人的なサポートのことです。
文部科学省は、合理的配慮を「障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。」と定義されている。
たとえば
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音に敏感な子に、静かなスペースを用意する
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話すのが苦手な子に、絵やカードで意思を伝えられる方法を選ぶ
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集中が難しい子には、タイマーや視覚的なスケジュールを使う
これらは「特別な優遇」ではなく、その子に必要なスタートラインを整えるものです。
甘やかしとどう違うの?
合理的配慮と甘やかしの違いは、「目的」と「主体性」にあります。
「合理的配慮って、子供のわがままを許すことじゃないの?」
「過保護になってしまわない?」
そんな声を耳にすることがありますが、合理的配慮と甘やかしは、まったく異なるものです。
まず、両者の大きな違いは、その目的にあります。
甘やかしは、子供が嫌がったり不快になったりすることを避けさせるために、大人が手を出したり、やらせないようにする対応です。
一方で、合理的配慮は、子供が「自分の力でできるようになる」ために必要な手助けをすることです。
つまり、配慮の先には「自立」があり、甘やかしの先には「回避」があるのです。
また、関わり方にも大きな違いがあります。
甘やかしは、大人が先回りして判断し、子供が困らないようにあれこれと代わりにやってしまうことが多いです。
それに対して合理的配慮は、子供本人と話し合いながら「どうすればうまくできそうか?」を一緒に考えていく、対話と共同作業のプロセスです。
そして、その結果にも違いが表れます。
甘やかされている場合、子供は挑戦の機会を失い、「自分にはできない」という無力感を抱きやすくなります。
一方で、適切な配慮を受けた子供は、自分の力でできることが少しずつ増え、「やればできる」「工夫すれば大丈夫」という自己効力感を育むことができます。
このように、合理的配慮は決して「特別扱い」でも「甘やかし」でもなく、
その子がその子らしく育ち、自分の力を発揮できるようにするための成長を支える関わりなのです。つまり、合理的配慮は「できるようになる」ための足場なのです。
フリースクールにおける合理的配慮
私たちフリースクールでは、子供たち一人ひとりの「やってみたい」「こうならできるかも」に寄り添いながら、
学びや生活の方法を一緒に考えていきます。
「普通にできる」ことを目指すのではなく、
その子らしく過ごせる“ちょうどいい環境”をつくること。それが私たちの合理的配慮です。
たとえば…
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ある子は、音楽が苦手だけど図工が好き。ならば、図工中心の学びにアプローチ。
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ある子は、人と話すのが苦手。でも文字なら伝えられる。ならばチャットやカードでのやりとりから始める。
子供に合わせて方法を変えることで、その子の力が引き出される瞬間があります。
迷ったときの問いかけ
合理的配慮か甘やかしか、迷ったときにはこう問いかけてみてください。
「この関わりは、子供が“自分でできるようになる”ためのステップになっているか?」
子供は、サポートがあるからこそ、自分らしく成長できます。
配慮をためらう必要はありません。
それは、子供が未来に向かって歩くための橋をかけることなのです。
まとめ
「甘やかし」と見られることを恐れて、本当に必要な支援を遠ざけてしまう…。
それは、大人にも子供にも、つらいことです。
合理的配慮とは、「その子の力を信じて、育てるための支援」。
安心して、堂々と選んでいいのです。
フリースクールでは、保護者の方と一緒に「ちょうどいい支え方」を考えていきます。
どうぞ、いつでもご相談ください。
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