
「うちの子、ちょっと繊細すぎるかも…」
そんなふうに感じたことはありませんか?
ちょっとした物音にびっくりしたり、人混みに行くとすぐに疲れてしまったり、気持ちの浮き沈みが激しかったり――。
そうした子どもの様子に、「この子、育てにくいのかも」と悩んでしまう保護者の方も少なくありません。
でも、実はその繊細さ、「HSC(Highly Sensitive Child)」と呼ばれる気質のひとつかもしれません。
HSCとは、周囲の刺激や人の感情にとても敏感に反応する、感受性の高い子どものこと。
病気や障害ではなく、**およそ5人に1人の子どもが持っている“生まれ持った個性”です。
繊細な子供が抱えやすい困りごと
HSCの子供は、他の子にとっては気にならないような刺激に過剰に反応したり、人の気持ちを深く受け止めすぎたりすることがあります。そのため、以下のような場面で困難を感じることがあります。
・集団生活になじめない
・叱責に過敏に反応してしまう
・人前で話すことが苦手
・学校に行くことが負担になる
こうした状態が続くと、ストレスをためやすく、やがて心身の不調や不登校につながることもあります。
繊細さは“弱さ”ではありません
「すぐ泣く」「こだわりが強い」「集団に入れない」——そうした特徴は、見方を変えると、「感情に対して誠実」「物事を深く考える」「他人に共感できる」という力でもあります。
繊細さは、その子の大切な個性。大人の関わり方次第で、その力は大きく花開くこともあるのです。
親ができる5つのこと
HSCの子供と向き合ううえで、親が意識できることを5つご紹介します。
1.まずは「この子の気質」を理解する
HSCという気質について知ることは、親自身の安心にもつながります。理解があれば、「なんでこんなことに泣くの?」というイライラが、「そうか、この子にとっては大きなことだったんだ」に変わります。
2.子供からのサインを見逃さない
「疲れた」「静かにしていたい」「嫌だ」といった言葉や態度は、子供からの大切なメッセージ。否定せず、まずは「そう感じているんだね」と受け止める姿勢が大切です。
3.周囲と比べない
「他の子はできているのに…」という視点は、子供の自己肯定感を下げてしまいます。その子の“昨日より一歩前に進んだ今日”を見てあげましょう。
4.安心できる居場所をつくる
家庭が、どんな自分でも受け入れてもらえる「安全な場所」であることは、子供にとって大きな支えになります。無理に変えようとするよりも、「今のままでも大丈夫」と伝えることが大切です。
5.外部のサポートも視野に入れる
HSCの子供にとって、学校が負担になることもあります。そんなとき、フリースクールのような“別の居場所”があることで、心が安定し、のびのびと自分を出せるようになるケースもあります。
フリースクールで見られる子供の変化
私たちのフリースクールにも、HSCの特性を持つ子供が多く通っています。ある子は、人前で話すことが苦手で、初めは誰とも話さず静かに過ごしていました。ですが、無理に声をかけたりせず、子供自身のペースを尊重しながら関わっていくうちに、少しずつ笑顔が増え、自分の好きなことを表現するようになっていきました。
大切なのは、「変えようとしない」こと。
そのままの自分を受け入れてもらえることで、子供は安心し、次の一歩を踏み出せるようになるのです。
おわりに
繊細な子供は、強い共感力や豊かな感性を持った、かけがえのない存在です。
ただ、その特性がゆえに、今の社会の中では生きづらさを感じることも少なくありません。
だからこそ、まずは大人がその気質を理解し、「どうやって普通に合わせるか」ではなく、「どうすればその子が自分らしく生きられるか」を一緒に考えることが大切です。
フリースクールは、そんな親御さんとお子さんをあたたかく見守りながら、一人ひとりに合った学びと成長の形を大切にしています。
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