
梅雨ですね。
雨が降ると、何となく学校や会社に行きづらい方も多いのではないでしょうか。
最近は豪雨による災害も増えてきています。いざという時のための備えはできるだけ用意しておきたいですね。
フリースクールに通う小学生たちは、外見上は元気に見えることも多いですが、その内面には多様かつ複雑な心理的課題を抱えていることがあります。
今日は、主に小学生期(おおむね6歳~12歳)の子供たちが抱えやすい悩みと、その背景にある発達的・環境的要因について、保護者の皆様に向けてのお話です。
小学生が抱える主な心理的課題
自己評価と劣等感の形成
小学生期は「児童期前期~中期」とも呼ばれ、エリクソンの発達理論では「勤勉性 vs 劣等感」の段階に相当します。子供たちは、学習や集団活動を通して「自分はできる」「社会に貢献できる存在だ」という感覚を育んでいきます。しかし、集団生活や学業で繰り返し失敗を経験すると、次第に「自分はだめだ」「どうせやっても無理」といった劣等感が強化されていきます。
社会的関係の難しさ
小学生は、家族以外の他者(教師や同級生など)との関係の中で「社会的自我」を築いていきますが、この段階で対人関係に困難があると、自己否定的な感情や過剰な回避傾向につながります。いじめや仲間外れのような直接的なトラブルだけでなく、「会話にうまく入れない」「空気が読めない」など、発達特性に起因するズレが二次的な悩みを生むこともあります。
感情調整の未熟さ
多くの小学生は、まだ自己の感情を言語化したり、適切に調整したりする能力が発達段階にあります。特に不安や怒りといった強い情動をうまく処理できず、身体症状(腹痛・頭痛など)や行動面(癇癪、無気力)に現れることも少なくありません。
家庭環境や教育環境が与える影響
小学生の心理的課題は、個人の性格や発達特性だけでなく、家庭環境・学校環境との相互作用で形づくられます。
【過度な期待や比較】
親の期待が高すぎたり、きょうだいや同級生との比較が繰り返されると、子供は「愛されるためには成功しなければならない」という思いを内面化しやすくなります。
【家庭内の不安定さ】
家族間の不和や経済的・心理的ストレスは、子供にとっては「居場所のなさ」として表れ、不安や情緒不安定さの背景となることがあります。
【画一的な学校文化】
集団行動や定型的な学びに適応することが求められる学校文化は、特性のある子にとって「毎日が失敗体験」となることもあります。
フリースクールにおける支援の視点
私たちフリースクールの現場では、子供たちが安心して自分らしくいられることを最優先にしています。そのためには以下のような支援方針を大切にしています。
“できる”より“わかってもらえる”の経験を
子供が自分の感情や特性を受け止めてもらえる経験は、自己肯定感の基盤となります。私たちは、成果よりも「その子のプロセス」に注目し、評価ではなく共感を重視しています。
固定化された「役割」からの解放
学校で「問題児」「静かな子」とラベリングされていた子供も、環境が変わることで本来の姿を見せ始めます。私たちは、「役割」ではなく「関係性の中で変化できる存在」として子供に向き合っています。
家庭との連携
保護者の方との信頼関係は、支援の要です。学校との違いや支援の視点について丁寧に共有しながら、子供を中心に据えた共通理解を築くことを心がけています。
保護者の方へのメッセージ
お子さんが不登校になったり、悩みを抱えていたりすると、どうしても「なんとかしなきゃ」と焦ってしまうものです。しかし、子供の成長は一直線ではありません。むしろ、悩んだり立ち止まったりする中でこそ、心の根っこが太くなっていきます。
親としてできる最も大切な支援は、「まず受け入れること」。その子がその子らしくいられるように、見守ることです。そして、迷ったときは、どうか私たちフリースクールのスタッフにも頼ってください。共に悩み、共に考えるパートナーでありたいと願っています。
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