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子供の“困った行動”に隠れた本音

最近、子供が急にわがままになったり、

親を困らせるような行動が増えた…
そんな変化に戸惑っている方はいませんか?
実はその“困った行動”には、

子供の心の叫びが隠れていることがあります。
今回は、フリースクールの現場で見えてきた

「お試し行為」についてお話しします。

 

 




「いい子」を演じてしまう子供たち

フリースクールで関わる子供たちの中には、

「相手をがっかりさせちゃいけない」と、

無意識に“いい子”を演じてしまう子が少なくありません。

そうした子供たちは、知らず知らずのうちに自分に無理を重ね、

やがて心も身体もしんどくなってしまいます。

でも、安心できる環境の中で、

「いい子でいなくてもいい」

「そのままの自分で大丈夫」

と感じられるようになってくると、

子供の行動には変化が出てきます。

それまで抑えていた思いが一気にあふれるように、

わがままになったり、泣きじゃくったり、

大人を困らせるような行動が出ることもあるのです。

これは「甘え直し」や「お試し行為(試し行動)」

と呼ばれることがあります。

たとえば、以前は自分でできていたことを

「やって」と甘えてきたり、

大人のそばを離れたがらなかったりすることもあります。

一方で、大人の困るようなことをあえて言ったり、

したりするような行動も見られます。

年齢が上がるほど、その表現も鋭くなり、

こちらの心にグサッと刺さるような言葉を

投げかけてくることもあります。


心のエネルギーを取り戻すための「お試し行為」

子供たちが見せる“困った行動”の多くは、

実は「お試し行為」と呼ばれる心の反応です。

これは、「こんな自分でも受け入れてくれるの?」

「本当に見捨てないの?」という

不安からくる行動で、大人の反応を試しているのです。

たとえば、次のような行動が見られることがあります。

  • あえて困らせるようなことを言ってみる

  • 普段できることを「やって」と甘えてくる

  • 物をわざと雑に扱って反応を見る

  • ルールを軽く破って様子をうかがう

  • 「どうせ自分なんていない方がいい」と悲観的な言葉を投げかける

これは、信頼できる大人との関係を築こうとする中で、

「それでも見放さない?」と無意識に確認しているサインです。

私たち大人にとっては戸惑いや

ストレスを感じる場面もありますが、

子供にとっては自分の存在を安心して

委ねられるかどうかを確かめる、

大切なプロセスです。

一見するとわがままや反抗的に見えるこの時期こそ、

子供が心のエネルギーを取り戻そうとする

“回復の入り口”なのです。


「どんなあなたでも大丈夫」を伝える関わり

もちろん、子供が他人を傷つけたり、

自分自身を傷つけるような行動には、

はっきりと線を引いて止める必要があります。

でも、それ以外の甘えやわがままは、

ある程度受け止めながら、

「どんなあなたでも大丈夫だよ」

「そのままのあなたを受け入れているよ」と、

言葉や態度で伝えていけると良いと思います。

もし、子供の言動にイライラしたり、

「自分はこんなふうに甘えられなかったのに…」

と感情が湧いてくる場合、

それは保護者自身の過去の体験や

心のブロックが関係していることがあります。

そうした気持ちに気づいたら、

ひとりで抱え込まずに、

カウンセラーや信頼できる人に相談することもとても大切です。

時間がかかっても、子供が

「どんな自分でも愛されている」と

心から実感できた経験は、

その後の人生を支える大きな力になります。

私たちフリースクールのスタッフも、

そのプロセスにしっかり寄り添いながら、

子供たちの「自分らしさ」が

取り戻されていく過程を、

これからも丁寧に見守っていきたいと思っています。

 

 

 

 

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