
あの頃の自分と重なる、夏のワクワク
もうすぐ夏休み。子供たちが「何して遊ぼう」と胸をふくらませるこの季節、私たち親もふと、自分が小さかった頃の夏を思い出します。海や山に出かけたり、炎天下で汗だくになって鬼ごっこをしたり、夢中になって遊んでいるうちに、気づけば夕方になっていた——そんな記憶、きっと誰にでもあるはずです。
けれど思い返してみると、帽子をかぶるのを嫌がっていたり、水を飲むのを後回しにしていたり、あのとき少し危なかったかもしれない、と思うこともあります。今の夏は、あの頃よりも暑さが厳しく、湿度も高くなっています。昔と同じ感覚で遊んでいたら、子供たちの体には大きな負担がかかってしまう時代です。
だからこそ、今の子供たちに伝えてあげたいことがあります。「元気に遊ぶためには、体を守る知恵も必要なんだよ」と。
熱中症はどうして起こるの?
熱中症とは、体の中の水分や塩分が足りなくなったり、体温調整がうまくいかなくなったりすることで、体調が急激に悪くなる状態です。めまいや頭痛、吐き気や倦怠感などが起こり、重症になると意識がもうろうとすることも。
特に子供は、大人に比べて体温の調整機能が未発達で、地面に近い場所で遊ぶことも多いため、熱の影響を受けやすいのです。体に負担がかかっていても自覚しづらく、楽しい気持ちが優先されて無理をしてしまうこともあります。
子供に伝えたい、5つの大切なこと
「水分は、のどがかわく前にとる」
のどが渇いてからでは遅いこともあるので、遊んでいる途中でも、ひと口ずつこまめに水やお茶を飲むように促しましょう。
「外に出るときは帽子をかぶる」
強い日差しは体温を上げ、体に負担をかけます。「日かげを選んで移動しようね」と声をかけるのも効果的です。
「疲れていなくても、時々休けいをする」
遊びに夢中になると体のサインを見逃しがちです。「10分に1回くらい、ちょっと休もうか」と促してあげると、無理を防げます。
「家の中でも油断しない」
風が通らない部屋や、湿度が高い場所では、冷房が入っていても熱中症になることがあります。「涼しいけど少しムシムシしてるね」と気にかけてあげましょう。
「異変を感じたらすぐに伝える」
体が熱い、頭が痛い、フラフラするなど、体の異変を感じたときにすぐに伝えることが、早めの対処につながります。
「言い方ひとつ」で変わる、子供の受け取り方
子供に熱中症対策を伝えるとき、「〇〇しなさい」と命令口調になると、つい反発されがちです。だからこそ、伝え方に少しだけ工夫をしてみましょう。
たとえば、「帽子をかぶりなさい」ではなく、「今日、けっこう日差し強いね。帽子、あった方がいいかな?」と問いかけてみる。こうすることで、子供は「自分で選んで行動している」と感じることができ、素直に受け入れやすくなります。
また、「なんで水を飲まなきゃいけないの?」と聞かれたときは、「体が熱くなりすぎると、疲れやすくなるからだよ」と、理由も一緒に伝えてみてください。意味がわかると、子供の行動にも納得感が生まれます。
夏を楽しむために、知ってほしいこと
夏は、子供にとって最高の思い出を作れる季節です。でもその楽しさは、「元気でいること」が前提です。熱中症対策は、子供を守るためのものだけではありません。自分の体を大切にする力を、親子で一緒に育てていくための学びでもあります。
ちょっとした声かけや、毎日の見守りが、子供の命を守る大きな力になります。そしてそれが、子供自身が「自分の体を自分で守る力」を身につける第一歩になるのです。
この夏が、楽しくて、安全な思い出でいっぱいになりますように。親子で、体のことも一緒に学びながら、元気な夏を過ごしていきましょう。
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