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なごやハートプラン・名古屋市の施策を通して見る不登校児童の今

文部科学省の調査によると、ここ十数年の間に名古屋市の不登校児童は増加の一途を辿っており、令和5年(2023年)時点では6310名と過去最多数を記録しています。

その人数は平成26年(2014年)の調査結果、2297名の3倍弱にものぼり、行政も事態を重く受け止めています。

令和4年(2022年)の3月に策定された「なごやハートプラン」は誰一人取り残されない学びの保障を図ることを目的としており、それを受けた教育機関関係者および我々地域の大人たちもまた、不登校というアクションの捉え方について再考を求められている状況です。

 

そこで今回は現代における『不登校』への認識と背景、そして今行われている行政の取り組みについてお話したいと思います。

 

外部リンク:不登校児童生徒の多様な学びの保障に向けた支援方策 Nagoya HEART Plan(なごやハートプラン)

https://www.city.nagoya.jp/kodomo/schools/1016972/1033486.html

 

 

 


不登校に対する社会の変化とその理由

かつて、不登校は今以上に偏見に晒されるものだったと思います。なぜなら一部では、不登校の子供は学習や精神的成熟の機会を損失し、将来必要な学力や社会性を備えることができないと考えられていたためです。

また世間からの風当たりを恐れる親御さんたちも、こぞって子供たちの不登校には否定的な態度を取り続けていたように思います。

しかし、様々な社会的事件や問題の発覚を経て、ようやく不登校児童に関する建設的な議論がなされるようになり、不登校を単なる逃避ではなく精神を保つための防衛行動の一種とする見方が広がりました。

そして今は、不登校が子供にとって自分の将来と向き合うための選択肢だと捉えられつつあり、不登校児童に向けられる目も少しずつ肯定的なものに変化し始めています。

 

また最近だと世界中で猛威を振るったコロナパンデミックに伴う在宅学習環境の整備によって、インターネットを使ったリモート学習が可能になったことも結果的に家庭での学習が世の中に広がった要因とも考えられます。

 

誰一人取り残されないために

とはいえ学校という存在が子供の教育に大きく貢献していることも事実であり「代替手段があるなら学校に通う必要はない」と切り捨てるのは極論に走りすぎるように思います。

子供たちにとって望ましいのは「どのような選択をしても学習の機会が失われないこと」や「安心して過ごせる環境」であり、学校に通っても通わなくても、誰もが将来自立できるだけの力を得られる環境を作り出せることが社会や教育インフラの目指す最終地点と言えるのではないでしょうか。

そのためには既存教育の質を向上させることは当然ながら、新たな選択肢を充実させることも不可欠だと考えます。


学びの多様化学校

一例として、文部科学省主導のもとで進められている『学びの多様化学校』と言われる新しい教育機関は今日(2025年10月13日)時点で全国合わせて58校設置されています。なお、将来的には全国合わせて300校が設置される見通しであり、今よりも不登校児童が自分の将来について考えやすい世の中になると思われます。

 

外部リンク:学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)の設置者一覧

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1387004.htm

 

 

他にも年齢が15歳以上かつ中学校に通えなかった人を対象とした夜間中学が新たに設けられ、多くの人に勉強をやり直す機会が与えられるような施策がなされています。

 

外部リンク:名古屋市立なごやか中学校(夜間中学)

https://nagoya.fureai-cloud.jp/_view/nagoyaka-j

 

 

こういった取り組みにより、今後はより一層、学習機会の充実化が図られていく見通しです。ゆくゆくは全ての親子が、「今学校に通えてないから将来が心配」という悲観的な考えから解き放たれる日が来るかもしれません。

 

 

フリースクールの役目

私たちステラBASEを含むフリースクールもまた、不登校の子供たちに学習の機会と居場所を提供するために存在し、子供たちを「行けない」「できない」という悩みから守ること、心の余裕を取り戻すと同時に学習の機会や居場所についてサポートできればと思っております。

もしもお子さんが精神的な負担によって学校に行けずに悩まれているようでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

 

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