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ロウソクを持つ少女

「依存」は悪いことではない?

依存」という言葉にいい印象を持たれる方は少ないかもしれません。

この言葉が「ギャンブル」「薬物」「アルコール」など、過去に多くの人を狂わせてきた物と抱き合わせにされることもその一因でしょう。

しかし、本来の意味での依存というのは決して悪いものとは限らないのです。

今回は人の心の働きである「依存」について、お話したいと思います。




依存そのものが問題なのではない

 

依存とは誰しもが持つ心の働きの一つです。

「何かに対して絶えず必要とする状態」や「他に頼って存在、または生活すること」として定義され、これ単体で良し悪しが判断されることはありません。

仕事の成果を自尊心の根拠にすること、好きなアーティストの歌に元気をもらうこと、特定の集団に属して安心を得ること……これらは全て依存の一形態ですが、問題視されるほどのことではありません。むしろ健全とも言える活動です。

では巷で問題視されるような依存とは、一体どのようなものを指すのでしょうか。


問題なのは依存できるものが極端に少ないこと

 

好きな人や物事に熱を入れすぎて、それ以外の何も見えなくなっている状態。これが良くない依存の形です。

なぜなら自分とその繋がりが切れてしまった場合、依存する先が他になくなってしまうからです。

依存できるものが何もない状態だと、心は正常に働かなくなります。無気力に陥ってしまったり、人によっては喪失感に耐えられないあまり、依存相手への付き纏いや脅しといった犯罪に走ってしまうケースも存在します。

では逆に健全な依存とはどのようなものを指すのか。これについてもお話ししていきたいと思います。


健全な依存とは「広く浅く繋がること」

ズバリ、依存できるものが一つや二つだけではなく沢山あること

これが健全な依存のあり方です。

程よい距離感で付き合える人間や、適度に楽しめる趣味を多く持つことによって、それら一つ一つに対する依存の深さを下げることができます。

そうすれば依存できるものが多少無くなっても精神的な負担は軽いもので収まりますし、依存相手の状態によって自分のメンタルが左右される共依存と呼ばれる状況を避けることができます。

また、相手に依存するかしないかを自分で決められるようになるので、依存相手が自分に悪い影響を及ぼしそうだと思った時には関係を断ち切りやすくなります。

逆に自分が相手からの強い依存対象とされている場合など、即座に関係を断ち切るのが難しいこともあるかもしれませんが、健全な依存の知識を持っていれば自分から相手に別の趣味や娯楽などの依存先を提案して自分への依存度を下げる、といった戦略が取れるようになります。


弱い紐帯(ちゅうたい)

健全な依存の別側面には「弱い紐帯」というものがあります。

これはアメリカの社会学者、マーク・グラノヴェッターが提唱したモデルの一つで、平たく言うと「数人の親友よりも、知り合いの知り合いがいっぱいいる方が、自分の知らないことをたくさん知る機会が増える」といった意味合いの言葉になります。

自分と仲の良い友人ほど好みが似通っていることが多いですが、そのぶん話題が限定的なものになりがちです。反面、そこまで仲良しではない人たちとの緩い繋がりがあると色んな情報が耳に入る機会が増えます。

そのため弱い紐帯でたくさんの人と繋がる(≒依存する)ことは自分の見識を広げることにも役に立つので、精神的な安定の他にも即物的なメリットがあるのです。

そのため複数の面から見ても「一つのことがダメになると何もかもが崩れてしまう人」より「何か一つダメになっても代わりがたくさんある人」の方がずっと生きやすいように思えます。


依存という観点から見た子供が抱える課題

一方、子供たちにとっては自身の力によって健全な依存関係を作ることは非常に難しいのかもしれません。

子供たちが生きる世界は大人に比べると非常に狭く小さいものです。そして彼ら彼女らには、まだ自分の足で世界の外に出ていくための力がありません。

そのため子供たちは家庭と学校という、ごく限られた居場所とそこにいる人々に依存することしかできません。ゆえに依存先のカースト上位に居座るためには手段を選びませんし、時にはいじめ等の良識を疑うような行動に走ることさえあります。

依存できる対象が少なすぎること。それこそ子供たちが直面している大きな課題のようにも思われます。

 


ステラBASEの役割

数少ない子供たちにとっての依存先を増やすため、私たちステラBASEは義務教育とは異なる形で学習の場と機会を提供します。

ステラBASEでは子供たちが安心できる環境を整えるとともに、様々な教材やレッスンを通じて物事に対する興味関心や対人コミュニケーション能力を育成します。

そして最終的には子供が自身の力で弱い紐帯を作り出し、人や物との健全な依存関係を形成できるよう目指します。

もし、お子さんが自分の居場所や心の拠り所に悩まれているのであればぜひ一度ご相談ください。

 

 

 

 

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