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学びは“教科”だけじゃない 夏休みに育つ「子供の力」

「夏休み、勉強はどうしよう」
「せっかく時間があるのに、何もやらないのはもったいない?」
そんな声を、保護者の方からよく聞きます。

とくに、学校に通っていない子や、発達に特性のある子の場合、「勉強が遅れてしまうのでは」「このままで大丈夫かな」といった不安はとても自然なものです。

けれど、子供たちがこの時期に育てている力は、テストの点数では見えないものかもしれません。
このブログでは、フリースクールに通う子供たちの夏の過ごし方を通して、“学びの意味”を改めて考えてみたいと思います。




「学ぶ=机に向かう」ではない

多くのご家庭で、「勉強=学校の教科内容」というイメージが強くあります。
しかし、発達障害や不登校のある子供たちにとって、何より大切なのは、「学ぶことって面白い」と感じられる体験を積むことです。

例えば、こんな姿も“立派な学び”です

・ペットボトルのラベルを見て、「この飲み物、どこで作られてるの?」と興味をもつ


・虫取りを通して、生き物の動きや特徴に気づく


・レゴやブロック遊びの中で、構造やバランスを自然に身につける


こうした“遊び”や“日常の中の疑問”が、自分で調べたり、試したりする力=「探究心」や「思考力」の土台になります。


子供が自分から動ける「余白」を大事に

発達に特性のある子供は、指示が多すぎたり、予定がぎゅうぎゅうだと、かえって思考や行動が止まってしまうことがあります。

一方で、「やる・やらないを選べる」「ちょっとヒマだなと思える」時間があることで、自分なりの遊びや活動を始められる子も少なくありません。

夏休みは、「自由すぎて心配」と感じる保護者も多いですが、この“ゆるやかな時間”こそが、自分のペースで考え、動く力を育む機会になるのです。


「社会性」や「感情の調整」も大事な学び

フリースクールに通っている子供たちを見ていると、友達とのちょっとしたやりとりや、自分の気持ちをどう伝えるかに時間をかけていることが多くあります。

たとえば:

  • 「貸して」と言えた

  • うまくいかなくて泣いても、落ち着いた後に戻ってこられた

  • グループ活動がうまくいかなかったけど、自分なりにがんばった

こうした感情のコントロールや他者との関係性は、教科の学習と同じかそれ以上に、生きていく上で大切な力です。

夏休みは、家庭での関わりが中心になる分、こうした“心の学び”に気づきやすくなる時期でもあります。


この子にとっての“今、育っている力”を見つける夏

他の子と比べて「できていない」と焦るとき。
去年の夏と比べて「成長していないかも」と感じるとき。
そんなときこそ、目の前の子供が、どんな場面で、どんなふうに関わり、どんなふうに自分を表現しているかを見つめてみてください。

この夏、子供がどんな“目に見えない力”を育てているのか。
保護者の方がその存在に気づいてあげられることこそが、何よりの学びの支えになるのだと思います。

 

 

 

 

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